私達の活動

藻場の衰退と磯焼け

現在、ブルーカーボンにおける最大の懸念点が藻場の消失と言われています。主な要因として挙げられるのが磯焼けです。磯焼けは、沿岸域における海水温の上昇、魚類やウニ類等の植物性動物の採食活動の活性化によるもの、海岸の環境汚染など、光が不足することによって海藻の光合成作用が不活発になり磯焼けが起こるのです。日本における藻場の消失は、2010年当時、1990年対比で18,538haも消失しています。北海道は豊かな漁場に恵まれてはいますが、道東地区を除けば藻場の消失に無縁ではありません。

また水産庁提供の情報にも

藻場の衰退が認められる都道府県とアンケート結果

2020年に全国の岩礁性藻場の衰退状況について、沿海 39 都道府県にアンケートを行った。その結果、2013 年頃に比べて藻場の衰退件数は減り、衰退がないと回答したところが増えてきた。しかし、相変わらず衰退している都道府県は 8 割近くと高い傾向にある。

水産庁ホームページ指針・ガイドライン等より第3版 磯焼け対策ガイドライン(令和3年3月)第五章
https://www.jfa.maff.go.jp/j/gyoko_gyozyo/g_gideline/attach/pdf/index-62.pdf

との記載があり藻場の衰退は全国規模で衰退しているのが現状です。

なぜこのように藻場が衰退傾向にあるのか。

その原因のひとつが「磯焼け」と言われています。

磯焼けが起きる要因としては、

1.沿岸域における海水温の上昇

2.魚類やウニ類等の植食性動物の採食活動の活発化によるもの等

3.海流の変化、大量の河川水や砂泥の流入

4.海の環境汚染など

光が不足することによって海藻の光合成作用が不活発になることが磯焼けの原因であると言われています。

一例として北海道日本海側の藻場の景観と磯焼けの景観はこのようになっています。

北海道日本海の主な藻場景観と磯焼けの景観

水産庁ホームページ掲載情報より引用

https://www.jfa.maff.go.jp/j/gyoko_gyozyo/g_gideline/attach/pdf/index-62.pdf

持続的な海洋⽣態系のため藻場を再生

ジャパンブルーカーボンプロジェクトが行う藻場再生・磯焼け対策は2点あります。

(1)漁場・藻場の清掃

雑草藻駆除工法の特許を持つ協力会社が海底や岩盤を破壊することなく、自然の地形に優しく雑海藻や石灰層や砂などを除去します。特に藻場ができない岩場を清掃することにより新しい藻場を作ります。

再生中の藻場

(2)ウニ陸上養殖

通常藻場の再生ではうにを駆除廃棄していますが、本プロジェクトでは駆除したウニを陸上にて育て直しご家庭にお届けできるよう、ウニの陸上養殖も行い「食の循環」にも貢献していきます。

藻場を構成する海藻の生産力向上とウニを始めとした食圧の低減活動を通じ、CO2吸収力の向上を図り、ブルーカーボンへの貢献を図ります。日本国内全域、将来的にはグローバルでの展開も視野に入れています。